Black Boots & Bikes

数多いゲイリー・アッシャーの覆面グループによるアルバムで、オリジナルは1964年5月にキャピトル・レコードから発売されたものです。同じ「ホット・ロッド・サウンド」でも、車ではなく、2輪のバイクをテーマにした作品。同じ1964年の9月にマーキュリー・レコードから発売され、ヒットを記録したザ・ホンデルズのプロト・タイプとも言える作品で、実際に1.「Death Valley Run」（ホンデルズ盤は「死の谷へぶっ飛ばせ」というタイトルでシングルが日本発売になった）、3.「Mean Streak」、5.「Two Wheel Show Stopper」、8.「Ridin' Trails」、以上の4曲は、ザ・ホンデルズのファースト・アルバム「Little Honda」に別録音が収録されています。なお、6.「Haulin' Honda」は同タイトルの曲がザ・ホンデルズでも録音されておりますが、本盤に収録のものとは同名異曲です。ただし本作は、サウンド的にはパーカッションなどがバックに多用され、ギターにもファズが掛かっていたりと、ザ・ホンデルズというよりは、ゲイリーが手掛け本作とほぼ同時期に録音されて、同じキャピトル・レコードから発売されたザ・スーパー・ストックスのアルバム「Thunder Road」に通じる音作りとなっています。本作でギターを弾いているのは、やはりキャピトル・レコードからホット・ロッド系のインスト・アルバムを3枚も出していたジェリー・コール。他にもスティーヴ・ダグラス(サックス)、アール・パーマー（ドラムス）、フランク・キャップ（パーカッション）などなどいわゆるレッキング・クルーの面々が演奏に参加しています。ヴォーカル曲はゲイリー・アッシャーと、ツアー用のザ・ホンデルズのフロントを務めたリッチー（ディック）・バーンズの2人がリード。収録曲11曲中、ヴォーカル曲は1.「Death Valley Run」、3.「Mean Streak」、5.「Two Wheel Show Stopper」、7.「Devil On Wheels」、8.「Ridin' Trails」、10.「Johnny Take Care」、以上の6曲で、残りはインストルメンタルとなっています。